兄弟姉妹の相続 甥姪がいるけど自分が面倒を見ていた場合はどうなる?

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兄には子がいるが、離婚をして縁を切っているので身寄りがなく自分が世話をしている。
姉には子がいるが、遠方にいて帰ってこないので自分が面倒を見ている。
理由はさまざまありますが、子(あなたにとっての甥姪)がいる兄弟姉妹の生活の扶助をしていた場合、その兄弟姉妹が亡くなった時に相続はどうなるのかについて分かりやすく説明します。

子がいる場合は兄弟姉妹には相続権がない

結論からいうと、原則として子(甥・姪)がいる場合にはあなた(兄弟姉妹)には相続権はありません。そして、遺留分もありません。法定相続人・法定相続分遺留分についてはそれぞれリンク先の記事で詳しく説明しています。

たとえ以下のような事情があっても、法律上の順位は覆りません。

  • 「子は離婚した前妻が引き取り、30年以上音信不通である」
  • 「子が親を一度も介護せず、連絡すら無視し続けていた」

勘当して縁を切っているなどという場合でも、相続廃除相続欠格に当たる場合以外は変わりません。

相続廃除とは、この場合は甥姪があなたの兄弟姉妹に対して酷い虐待・侮辱・非行をしていた場合に、裁判所に対して申し立てて相続権をなくさせるもので、裁判所によって厳格に判断されるものです。

相続欠格とは、甥姪が兄弟姉妹を殺害または殺害しようとしたり、遺言を無理に書かせたり変造したりした場合に、相続権を失うものです。

逆に言えば、相続廃除や相続欠格の場合で、両親がいない場合は兄弟姉妹に相続権が移ります。

生前の「介護や扶助」は考慮される?

「生前にこれだけ尽くしたのだから、少しは配慮されるべきだ」という主張を、法律用語では「寄与分」と呼びます。寄与分とは、相続において、被相続人の財産維持や増加に特別に貢献した相続人が、他の相続人よりも多く遺産を受け取れる制度のことです。しかし、兄弟姉妹には通常の寄与分はありません。

そもそも「相続人」でないと寄与分は主張できない

寄与分を主張できるのは、あくまで「法定相続人」だけです。 甥や姪が1人でも存在する場合、あなたは相続人ではないため、どれだけ介護を頑張っても法律上の「寄与分」は認められません。

特別寄与料請求

2019年の法改正で、相続人以外(例えば息子の嫁など)も金銭請求ができる「特別の寄与」という制度ができました。被相続人の子である甥・姪との話し合いや合意で、この特別寄与料をもらうことができます。

話し合いに応じてもらえなかったり、協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停又は審判の手続によることになります。対象は「親族」に限られ、 特別の寄与として認められるには「無償で」「極めて特別な」貢献(療養看護など)が必要です。兄弟姉妹は親族ですが、親族であるがゆえに扶養義務もあり、単なる「生活費の工面」や「たまの身の回りのお世話」では認められにくいのが現実です。

すなわち、

・どの程度介護していたのか
・無償だったのか
・どれだけ特別な貢献だったのか

などを証拠によって示す必要があります。

さらに、特別寄与料は自動的にもらえるものではありません。

・相続開始と相続人を知ってから6か月以内
・または相続開始から1年以内

という期限があります。

葬儀費用や立替金はどうなる?

生活を扶助していた場合、避けて通れないのがお金の精算です。

葬儀費用: 原則として「喪主」が負担します。相続人である甥・姪に当然に請求できるものではありません(※裁判例でも分かれていますが、合意がない限り困難です)。

生活費の立替金: 「貸していた」という明確な証拠(借用書など)がない限り、親族間の扶助義務の範囲内とみなされ、相続財産から返してもらうのは非常に難しくなります。

「報われない」を防ぐために生前にしておくべきこと

「遺言書」を書いてもらう(最優先)

兄弟姉妹には相続権も遺留分もない以上、遺産を受け取るには遺言書が必要です

「死後事務委任契約」を結んでおく

死後事務委任契約とは、葬儀や納骨、未払金の精算などを、あなたの責任と権限でスムーズに行えるようにするための契約です。公正証書にすることをおすすめします。これにより、甥・姪との不要なトラブルを避けられます。

支出を「貸付金」として記録する

生活費の扶助をする際は、銀行振込を利用し、何に使ったかの領収書を残してください。可能であれば「準消費貸借契約書」を作成しておくことで、相続人に対して「債務(借金)として返してほしい」と主張する余地が生まれます。

まとめ:

兄弟姉妹の支え合いは美しいものですが、法律は驚くほどドライです。 「子とは縁を切っているから1円も相続させない」などと本人が言っていても相続権はそれだけでなくなるものではありません。それまで世話をしてきた兄弟姉妹が亡くなった時点で、一切の財産に触れることができなくなるのです。

また、「自分がやっていることは、将来トラブルにならないか?」という悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。

不安を感じたらまずはプロの視点で現状を整理してみることをおすすめします。

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